専修紹介【特別支援教育専修】 教育学部
専修紹介【特別支援教育専修】
特別な教育的支援を必要とする幼児、児童及び生徒の障害や疾患、抱える困難の特性を理解すると共に、自立と社会参加を妨げる社会的障壁に目を向けて、必要な指導・支援や合理的配慮を実践的に学びます。
平成19年の学校教育法の一部改正により、すべての学校、すべての教室で特別支援教育の充実を図ることになりました。さらに、平成29年の教育職員免許法の一部改正により、教員免許を取得する際に「特別支援教育」に関する単位取得が義務づけられました。
特別支援教育専修では、こうした流れの中にあって、教育現場や福祉現場等に求められる「様々な困難さを抱えている幼児児童生徒に対する正しい理解と的確な支援」にかかる専門性を高めています。
一人一人が自分のよさを生かしながら共に学んでいけるよう、学生も教員も「専修の一体感」、「専修の一員としての所属感」を大切にした人間関係を築いています。
学びのポイント
授業の特徴
特別支援教育専修では、小中学校などにおける教員としての基礎的な資質を育むと共に、様々な困難さのある子どもやそのご家族の笑顔が増えていくことを願い、障害や疾患等に関わる専門的な知識理解、自立と社会参加に向けた指導・支援方法、社会的障壁の軽減等について、実践的に学んでいきます。
専門ゼミ
3年次から、担当教員いずれかのゼミに属し、仲間や教員と共に、自分の問題意識を深め、研究課題を追究していくことになります。4年次の卒業研究にも繋がっていきますが、特別支援教育専修では、どの教員も、すべての学生を対象に、指導・支援していくことを大切にしています。
教員
特別支援教育専修には、取得可能な特別支援学校教員の障害種別に応じて、知的障害、肢体不自由、病弱を専門とする専任教員が在籍しています。各教員が小中学校や特別支援学校における教員経験や、小児病棟などでの心理臨床に携わってきた経験を有するなど、豊富な実務をもとに授業や研究を進めていくことができることが強みです。
卒業研究
4年次の12月には4年間の集大成として、卒業論文を提出します。1月終わりには、すべての学年が揃って、卒業研究発表会を行い、各ゼミで学んできた成果をそれぞれ発表します。
目指すゴール
特別支援教育および教科に関する学習指導要領の内容、評価の観点・評価方法などを理解し、それらを踏まえた指導計画を作成することができる教員として、また、福祉や心理の専門性をもち、本人や保護者に寄り添うことのできる支援者としての活躍が期待されます。多様性を重んじ、共生社会を築いていく特別支援教育の考え方を身に付けて巣立っていくことを目指します。
取得可能な資格
小学校及び特別支援学校の教員免許状の取得が必修となっているほか、中学校・高等学校・幼稚園など、複数の教員免許状、学校図書館司書の資格などを取得することが可能です。これは、幼児児童生徒に対して一貫した指導・支援を継続して行うことをめざす特別支援教育の理念にも合致しており、教員採用試験でも大きなアドバンテージになります。
特に、特別支援学校(幼稚部、小学部、中学部、高等部など)で勤務するためには、特別支援学校の教員免許だけでなく、基礎免許となる幼稚園、小学校、中学校、高等学校といった、それぞれの教員免許が必要になるからです。卒業生の多くは、複数の教員免許を取得できたことで、進路選択の幅が広がり、就職後も子どもたちの発達段階を踏まえた指導・支援に繋がっているとの声が届いています。
授業科目
PICK UP CLASS
ピックアップ授業
発達障害心理臨床
先入観にとらわれず、思いに寄り添った支援方法を模索する。
発達障害に関する基礎的な知識を得ることを前提として、これまで私自身が出会った発達障害の方やご家族とのエピソードを交え、ご本人の困り感やご家族の想いに触れていきます。障害特性を弱点として捉え、改善することだけに焦点を当てるのではなく、長所として発揮できる可能性を含めた支援の在り方について考えていきます。
PICK UP SEMINAR
ピックアップゼミ
専門演習(松本ゼミ)
知的障害・キャリア発達支援・交流及び共同学習・合理的配慮・余暇活用など
障害のある子どもたちと関わり、向き合う心を育てていく。
ゼミ生の多くは、4年次に特別支援学校や特別支援学級の「学校インターンシップ」に参加しています。
それは単に「障害のある子どもと関わる」ものではなく、現場経験と卒業研究を関連付け、自身のテーマを主体的に探究する体験です。これら活動を通じ、特別支援教育に携わる"熱い想い"のある教員へ成長してほしいと願っています。
ゼミ
各教員には、専門とする障害領域や研究分野があります。例えば、特別支援教育全般の行政・施策、知的障害児の教育、発達障害児の心理などです。2年次後半から自分の研究したいテーマに合わせて教員面談を重ね、3年次から所属するゼミを決めていきます。ゼミでは、お互いの研究テーマを持ち寄って活発な議論をしたり、教育現場等に出かけて調査研究を深めたりします。
教員は、それぞれの所属ゼミ生の指導にあたりますが、学生の求めに応じて、ゼミの枠を越えて、質問に応じたり、指導・助言をしたりすることがあり、それも特別支援教育専修の強みだと感じています。
時間割例
(1年生後期、中学校教諭免許状(国語)を取得する場合)
曜日 | 時限 | |
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月
|
1 | 【教養】 |
2 | 【教養】 | |
3 | 教育基礎論 | |
4 | 国文学概論Ⅱ | |
5 | ||
火
|
1 |
初等教科教育法(理科)
|
2 | 国語学Ⅱ | |
3 | ||
4 | 国文学特講Ⅱ | |
5 | ||
水
|
1 | 日本国憲法 |
2 |
中等教科教育法Ⅰ(国語)
|
|
3 | 書写の部 | |
4 | ||
5 |
学校ふれあい体験介護等の体験(事前事後指導)
|
|
木
|
1 | 宗教学Ⅱ |
2 | スポーツⅡ | |
3 |
初等国語(含書写)
|
|
4 | 初等体育Ⅰ | |
5 | 特別支援教育総論 | |
金
|
1 | |
2 |
【教養】第二外国語
|
|
3 | 初等図画工作Ⅰ | |
4 |
英語コミュニケーションⅡ
|
|
5 | ||
集中講義 |
※開講科目・
卒業研究
谷ゼミ
- 動作法による心身への効果および継続に関する一考察
- 動作法における初心者トレーナーの成長要因の検討
- 初心者トレーナーによる動作法におけるトレーニーの身体的および心理的変化
永井ゼミ
- 教員志望学生の医療的ケア児へのイメージに動画視聴が及ぼす効果
- 筋ジストロフィー児の症状進行に伴う教育的支援の変容
- 気管支喘息の子どもの自律神経失調状態に至るプロセス
野村ゼミ
- 子どもが安心して学校生活を送るために教師ができる指導・支援についての検討
- 学校現場において活用できる書字に関するアセスメントツールの提案
- 自伝分析に基づいた吃音症状に対する当事者の捉え方の変化
- 同胞をもつきょうだいの進路や職業選択に及ぼす要因の検討
松本ゼミ
- 知的障害のある生徒に対する数学教育の指導
- 小学校の休み時間における「遊びの招待交流」の実践とその効果
- 「授業ユニバーサルデザイン」の 14 の視点を取り入れた授業づくり
安田ゼミ
- 不登校児の居場所の捉え方ときっかけ
- 幼稚園の運動会における障がいのある子どもに対する支援や配慮
- 聴覚障害者のコミュニケーション手段の使用状況とその満足度について
就職・進路
卒業後の進路は、約85%が特別支援学校もしくは小学校などの学校教員として就職、約15%が障害児・者を対象とした社会福祉施設や市町村の療育センター、公務員、一般企業などへの就職、大学院進学です。教員以外も、特別支援教育に関する内容が役立つ進路が多いことも特徴です。
実績 令和5年度
就職 | 人 |
---|---|
小学校教諭 | 10 |
中学校教諭 | 0 |
高等学校教諭 | 0 |
特別支援学校教諭 | 6 |
幼稚園教諭 | 1 |
就職/進学 | 人 |
---|---|
企業・団体 | 2 |
公務員 | 0 |
施設 | 0 |
大学院進学 | 0 |
教員紹介
研究課題 | 最終学歴 | ||
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谷浩一 | 肢体不自由児の教育、動作法、応用行動分析 | 大阪大学大学院連合小児発達学研究科子育て支援専攻 修了,博士(小児発達学) | 詳細 |
永井祐也 | 病弱、自閉スペクトラム症の二次障害予防、インクルーシブ教育 | 大阪大学大学院人間科学研究科 修了,博士(人間科学) | 詳細 |
野村香代 | 発達障害児への発達支援、自己理解、障害受容、家族支援 | 中京大学大学院心理学研究科博士後期課程 単位取得満期退学,博士(心理学) | 詳細 |
松本和久 | 知的障害、キャリア発達支援、交流及び共同学習、合理的配慮、余暇活用 | 筑波大学大学院教育研究科障害児教育専攻 修了,修士(教育学) | 詳細 |
安田和夫 | 知的障害、発達障害、自閉症教育、手話言語、授業改善、合理的配慮 | 岐阜大学教育学部教育学科治療教育コース 卒業,学士(教育学) | 詳細 |